中村真衣選手記者会見-現役引退発表 
中村真衣引退記者会見_070427
・4月27日(金) 長岡商工会議所3Fにおいて、中村真衣選手(背泳ぎ、27歳、JSS長岡所属)が報道陣を前に記者会見を行い、竹村吉昭コーチをはじめ、山本茂樹県水連会長や親友の田中雅美さんたちが見守る中、現役引退を発表しました。

 中村真衣は、4歳で水泳を始めてから、実に23年間、現役で活躍した。20代後半まで、とりわけ日本代表として10年以上活躍し続けてきたという第1級の選手生活は、本人のみならず我々水泳に関わってきている者にとっても何より誇れることであり、同時に、育ての親である、指導者の竹村吉昭コーチに対しても最大級の賛辞を贈りたい。

 現在も女子50m背泳ぎで日本記録(28秒56)を保持しているなど、中村真衣の選手としての栄光ある歩みは、既にいろいろなメディアを通して報道されているところであるが、特に次世代を担う選手たちに多大な希望をもたらし続ける源となった、2000(平成12)年9月のシドニー・オリンピック(1)と、新潟県選手躍進となった、2002(平成14)年9月の第57回高知国体(2)の活躍を挙げておきたい。

(1) シドニー・オリンピックは、改めて言うまでもなく、真衣が女子100m背泳ぎで日本新記録で銀メダルを獲得、さらに、400mメドレーリレーでも銅メダル(日本新)を手にするという快挙を成し遂げた大会であった。ちなみに、この年の4月の日本選手権では、50m背泳ぎで、日本人としては28年ぶりの世界記録樹立(28秒67)を果たしている。
 オリンピック出陣前に、長岡駅前の厚生会館前で激励会が大々的に行われ、私も娘と姪っ子を連れて行ったことを思い出す。真衣がオリンピックに出場した前後、長岡駅前の大手通りの歩道の雁木の天井には、いくつもの学校の児童・生徒達が絵や激励の言葉を書き込んだ応援の垂れ幕が吊り下げられていた。
 「金メダルを取れなくてごめんなさい」とレース後に竹村コーチに謝ったそうだが、それでも、同郷の選手がオリンピックという大舞台で、しかも個人種目で、銀メダルを獲得したことは、とりわけ長岡市民を歓喜させるには十分すぎる内容だった。帰国後、竹村コーチと共にオープンカーに乗り、ブラスバンドの先導で大手通りを凱旋パレード。沿道を埋め尽くす人たちに笑顔で手を振る真衣。銀と銅のメダルが2つ、真衣の首にかけられ、陽光にきらめいていた。私も何回カメラのシャッターを切ったか知れない。続いて、厚生会館前にて凱旋報告会(市民祝勝会)が催された。この時の人出は、激励会の時の人数の比ではなかった。本当に大勢の人たちが、おめでとうと声をかけに来た。(その後、ニューオータニ長岡にて、祝賀パーティーが催された。)

(2) 第57回高知国体では、国体報告祝賀会の席上、皇后杯の賞状を持って「これがほしかったんですよ」と言った大桃専務理事の笑顔が忘れられない。この大会は、真衣が約1年間の休養の後の復帰レースで、この年唯一の公式試合としての参加であった。
 チームワークの上からも成績の上からも、新潟県チームとして忘れられない国体の一つになったと思う。決勝進出が一人もなかった時代を経験している竹村も、同じことを語っている。(「水泳にいがた 2003 vol.8」 p. 26参照) 水泳女子総合で第3位の成績は、県史上初の快挙である。天皇杯も第9位の好成績であった。
 表彰台に上がらないことはないかのような勢いであった。成年女子400mメドレーリレーに至っては、翌年の第58回静岡国体においても、その夏のバルセロナ世界選手権日本代表選手を擁する東京・大阪を下して2連覇を果たす成績を上げる。この活躍の中心の役割を真衣が果たしたのは言うまでもないだろう。
 竹村は、この第57回国体を振り返って、こう締めくくっている。「強くなろう・強くなれる、いつも目指す方向だけは間違えないように、思い続けよう、強くなろう・強くなれる。2順目の新潟国体めざし力をあわせてがんばって行きたい。」(前掲誌 p. 27参照)

 新潟県水泳連盟主催のスプリント選手権における招待選手のサイン会では、毎回長蛇の列ができた。子供たちの憧れの存在という実感を受ける光景である。また、小学校を訪問し一緒にプールに入って児童たちに直接指導したりするなど、水泳人口の底辺を広げる活動や、後進の指導にも尽力した。これからの進路については耳にしていないが、個人的にはこれからも水泳に関わり続けていってくれることを期待している。 (文責・鈴木良男 広報委員)

◇中村真衣選手の挨拶 (video)  (wmv 1290KB 25秒) 


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